遺言

 遺言をしておけば、相続人間でもめる可能性がかなり低くなります。

 遺言には、自筆証書遺言と、公正証書遺言等があります。公正証書で作成することをお奨めします。

遺言執行

 遺言の内容を実現するのに、遺言執行者を必要とする場合があります。

 遺言をされる際には、遺言執行者も決めておかれた方がよいと思います。

遺留分

 遺言で何も残してもらえなかった場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分という権利があります。

 遺留分減殺請求を行うと、一定割合をもらうことが可能です。

遺産分割

 相続人間で遺産をどう分けるか協議を行います。協議がまとまらない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を行う必要があります。

相続放棄

 被相続人の遺産が、負債の方が多いような場合には、相続放棄を行うことが可能です。自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません。

最高裁平成28年6月3日判決

 最高裁は、那覇地裁・福岡高裁の判断を覆し、次のとおり判示して花押は民法968条1項の押印の要件を満たさないとしました。

「花押を書くことは、印章による押印とは異なるから、民法968条1項の押印の要件を満たすものであると直ちにいうことはできない。

 そして、民法968条1項が、自筆証書遺言の方式として、遺言の全文、日付及び氏名の自署のほかに、押印をも要するとした趣旨は、遺言の全文等の自署とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに、重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解されるところ、我が国において、印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法域氏が存するものとは認め難い。

 以上によれば、花押を書くことは、印章による押印と混同することはできず、民法968条1項の押印の要件を満たさないというべきである。」